本研究テーマでは、高齢者や片麻痺患者のトイレ利用を支援するロボット群の研究開発を行っています。各ロボットは高い伸縮比率を発揮するロボットアームを備えており、柔軟に変形してトイレ利用における一連の動作を支援します。支援場面に合わせた独自の機構を開発することで、今まで困難であった支援も実現します。先日行われたMoonshot目標3平田グループのワークショップにて、当研究室のロボットがフィーチャーされました(Yahoo News)。
下肢支援ロボット(L-limb)は、高強度と高伸縮比率を両立する巻き取り型リンク機構を備えており、利用者の起立や着座、歩行を支援します。巻き取り機構が地面の上を転がることで、姿勢変化に応じて接地点が移動します。これによって、立ち座り動作における体重支持と姿勢安定性の向上に貢献します。
移動型ロボット(M-limb)は、伸縮と屈曲を同時に行えるロボットアームを有しており、衣類の着脱を支援します。独自のリンク機構により、従来の多関節ロボットアームでは難しかったトイレなど狭隘空間での作業を可能にしています。
コイルトラス機構という高伸縮機構を用いたアクチュエータを開発しています。従来のアクチュエータでは得られなかった高強度、高伸縮比、コンパクトさを実現しています。応用性の高い機構であり、衣服を掴むグリッパーや、L-limbのアームにも使用されています。