本研究テーマでは、ロボット身体化による人の身体拡張・機能拡張を目指しております。身体化とは、自身の身体に備わっていないものをあたかも自分の身体の一部のように感じ(自己所有感)、自身によってものを操作していると感じる(自己主体感)ことです。ロボットを身体化することで、人工物であるロボットをあたかも自分の身体の一部のように感じ、身体運動と連携してロボットを操作・利用ができるようになります。また、何らかの影響により予想どおりの運動が行われていない場合には、気がつかせてくれる機能を備えています。このロボット身体化を促進するために、詳細な体性感覚フィードバックの重要性を確認し、また、人と機構の異なるロボットへの身体化方法について検討を進めております。
自身の指と同様の動作をする仮想指を手の届かない範囲にあるディスプレイに表示し操作することで、遠隔にあるタッチパネルを直接触って操作しているような操作性を実現するインターフェースを開発しました。操作対象の形状・構造・動作が自身の指と一致することで身体化が促進し、身体近傍空間という人の手の届く範囲にある特殊な空間を遠隔の仮想指周りに拡張することで、直接タッチパネルを操作している時と同様の操作性を実現しました。